企業インタビュー
将来性を考えた完全バリアフリーの美容室。値段勝負ではなく、技術勝負!お客様のご希望に沿った技術と和のやすらぎを…
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会社の歴史を教えてください。
1950年(昭和25)、祖母が祖父の営む下駄屋さんの2階で副業として美容院を始めたのがきっかけです。このお店が「うぐいす美容院」と言います。名前の由来は祖父が営んでいた店の名前が「梅屋」と言い、梅の上には鶯ということで命名されました。その後、祖母が東京から技術者を連れてきたんですが、それが後の私の父です。母と結婚した父が、昭和46年に今の会社の前身となる「有限会社ワンワン」を起こしました。元々、この会社と祖母の美容院は別物でしたが、4年前に合併し、「株式会社ワンワン」となりました。その時から僕が社長を務めることになりました。
なぜ副業として美容師を…
祖父は元々道楽者で仕事が上手くいかず、少しでも家計の足しになるようと祖母が始めました。祖母の腕が良かったのか、岡崎では有名なお店になり、祖父は下駄屋をやめ美容院の店舗を1階に降ろし、美容院がメインとなりました。もう一つ、今の50~60代の方なら分かると思うんですが、岡崎ニューグランドホテルの横に、この間までグランドホテルがあったのですが、そこで花嫁さんの着付けと送迎を行っていました。ロールスロイスを使った送迎を祖父がやっていて結構有名だったんですよ、テレビでも取上げられた事があります。
合併前の「有限会社ワンワン」はどのような会社ですか?
父がショッピングセンターレオの中に「レオ美容院」を立ち上げ、時代の流れにも乗って最大時は8店舗、従業員60名の会社に成長しました。しかし、美容師は育つと独立していきます。その分、人を入れて育てていかなくては従業員が減りお店が回りません。ある時、多くの従業員が辞めたことにより人が育たない時期が出来てしまい現在は2店舗となります。
うぐいすと、もう一つの美容室の名前は何ですか?
「E・S・T」といいます。
うぐいす美容院はどのような美容院ですか?
昔からのお客様が多く、ご年配の方がメインです。4年前まではリブラの前にあったセルビという駐車場の出口のところにお店を構えていたのですが、セルビが取り壊しされる事が決定したため現在の場所に移転することになりました。実は、現在の場所が祖母がお店をやっていた創業の地なんです、創業の地に戻ったのも何かの運命かもしれませんね。ちょっと話が逸れましたが、移転の時に今までの建物は古かったので立て直しました。最初に話したようにご高齢のお客様が多く、これからの高齢化社会を考えて完全バリアフリーのお店を設計しました。雨に濡れずにお店に入れるよう屋根付き駐車場、店内は全く段差のないフルフラット床、移動せずにシャンプーが出来るシャンプー台、車いすも完備しています。また、「ハートフル美容師」という介助資格をもった美容師が居ます。この資格はいずれ従業員全員取得する予定です。
もう1店舗も完全バリアフリーなのですか?
E・S・Tはもう少し若い人向けです。白と黒を基調としたインテリアのお洒落な感じで、40~50代の方がメインのお客様ですね、親子でご来店いただける方も多いですね、アットホームな感じです。
現在の従業員人数は…
僕を入れて10人で、うち7人が美容師です。
現在も着付けをやっているのですか?
やっていますが、今は成人式と結婚式に行く人がたまにご来店いただく感じですね。祖母の頃は着付けだけでも成り立つぐらい繁盛していたそうです。
今年の成人式ではどのくらいのお客さんが来ましたか?
今年は27人やりました。
髪型だけですか?
いえ、着付けも含め。成人式はセットになってますので。今は着物の販売店さんと提携をしていてお客様をご紹介して頂いています。今年の27人の内、うちのお客様は7人で後はご紹介いただいたお客様です。
化粧品販売もしているのですか?
祖母が美容師を辞めた後、かつらと化粧品販売をしていました、それを株式会社ワンワンが引き継ぎました。うちで扱ってる商品は「カバーマーク」という商品で、一般的には有名ではないのですが凄く肌にやさしい化粧品で、例えば皮膚科の先生が「しみ」などの肌トラブルに悩む人の「シミ隠しに」と勧めるくらいです。岡崎でも扱っているのは数店で、その中でうちが一番大きく取り扱っています。
化粧品もご利用されるお客さんは年配の方ですか?
やはりご年配の人が多いですね。たまに皮膚科の先生から紹介してもらったと言う子も来ます。
今は年配の人でもよく化粧をしますが、それでも美容院の方が売上がいいのですか?
そうですね、化粧品は一度買えば長く持ちますから。年配の人の中には美容室でしか頭を洗わない人がいて、その方の場合は2日に一度はご来店頂いています。売上比率では化粧品が1~2割、残り全てが美容室です。
カットの他にパーマなどはやっていますか?
やっています、うちはパーマにカットなどがセットになっておらず、お客様が自分のやりたいことを選んでいただく「フルチョイスシステム」を採用しています。例えば、家でシャンプー仕立てだから今日はシャンプーをしないとか、カットを前髪だけのポイントカットにするとか、髪が傷んでいるから今回だけヘアエステを追加するなども可能です。
セットで安くはしていないのですか?
やっていません、うちは安売り店ではないので。その代りアフターケアを大切にしています。もし気に入らなければ、カットから一週間以内でしたら無料で手直ししています。値段勝負ではなく、技術勝負です。当店にご来店いただくお客様は 「この店にやってもらっている」というステータスを求めています。
来店者が一番多いと一番少ない時期はいつですか?
一番忙しいのは12月と3・4月、これは冬のボーナスが入り、新年を綺麗になって迎えるためと卒業式、入学式があるからです。暇なのは1・2月、12月の反動と寒さで皆さんあまり出て来ないみたいですね、同じような理由で8・9月も暑すぎてあまり外出されないみたいです。
仕事のやりがいは何ですか?
実は僕は美容師ではないんです。美容院で働いていたのですがある理由で免許を取らなかったんです。ですが昔、お店で働いて今いた時、シャンプーがどうも上手いらしくお客様からシャンプーの指名があったり、「シャンプーは貴方じゃないと嫌だわ」という方がいらっしゃったり、それが嬉しかったです。美容師もそうですが、やっぱり自分の技術を気に入って来てくれるというのが一番嬉しい事だと思っています。
今はどのようなお仕事をされていますか?
現在は社長として、事務所で売上管理やメーカーさんが持ってくる詳細を元に商品の取引、新商品やキャンペーンのダイレクトメール作成をしています。後は、地元の色々なもの参加して地域貢献できるように頑張ってます。
お店の強みを教えてください。
知名度と完全バリアフリーという点です。
仕事で心掛けていることを教えてください。
お客様を不愉快にさせない。お客様は神様ですから。しかし、お客様第一と同時に同じくらい従業員も大切です。従業員が満足しなければ、お客様も満足しないので成るべく従業員の不満を吸収し、働きやすい環境を作り上げることに心掛けています。
仕事をする上で魅力的だったり、印象に残った事は何ですか?
人との繋がりが広がったことです。
自分にとって仕事とは何ですか?
きっかけだと思います。昔から父と折り合いが悪かったのですが、精神的に塞ぎ込んでいた時期に父が「うちを継がないか」と言ってくれました。ここで僕が社長として何かをつかんで、それを他の事業に広げてけばいいからと父が言っていました。僕にとって仕事とは人生最大の転換です。今でもこうしてインタビューを受けていることが不思議なくらい僕の人生を変えてくれました。
仕事を続ける上で頑張ってきた事、学んだ事を教えてください。
人との付き合いです。人を使う(人の上に立つ)のは難しい、お金ではなく、情で訴えることを心がけています。
社名の「ワンワン」の由来を教えてください。
両親が二人とも戌年生まれだから。私は寅年生まれなので、将来は寅年の女の子と結婚してガオガオにしてやるとか考えています。
学生に向けて一言お願いします。例えば、学生生活のうちにやっておいた方が良いこととか。
自分がやりたいことをやっちゃって!やっちゃえば心に余裕が出来ます。その余裕で更なることにチャレンジしてください。
会社のPRをお願いします。
うちの美容院はこれからの高齢化社会に向けて、完全バリアフリーの店舗づくり、「ハートフル美容師」という介助資格を持った美容師を配置した、シニア向けの美容院を目指していきます。