企業インタビュー
古着を新しい形として生まれかえすリサイクルなお仕事
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創業はいつからですか?
創業は昭和27年2月。H27年時点で63年目になります。
会社名の由来を教えてください(わかる範囲で)
未来繁栄の願いを込めています。
創業からこの所在地で営まれていますか?
創立当初は岡崎市欠町で始め、昭和52年に現住所に移転しました。現在の工場は1000坪ほどあります。
先代はどんな方ですか?
初代(祖父)は、自分より他人を重んじるタイプで、2代目(父)は、3度のご飯より仕事が好きなタイプです。
この会社で、今まで一番大変だったことはどんなことですか?
今までも、これからも、弊社に関わる全ての人が苦しんでいる時です
この会社で、今まで一番嬉しかったのはどんなことですか?
新規の契約が決まった時、受注が増えた時や、従業員さんと朝、元気よく挨拶を交わす時です。
この会社で、転機となるような出来事があれば教えてください
結婚をして家族が増えたことと、現在の話ですが、高齢化後継者不足で協力工場が辞め、自社工場として設備投資を決めることです。
お取引様は、主にどんな分野の皆様でしょうか?
自動車の内装部品製造業で、防音材、緩衝材の製品を取引しています。また、汚れた水が流れないようにする遮水シートなどの公共事業の土木関係の取引もあります。
お客様はなぜ御社へ仕事を依頼すると思われますか?
1年を通し、安定した製品と供給、迅速な行動、お客様が困っている事、必要とされている事のお手伝いが商品となり、サービスであり仕事に繋がっています。
どのような仕事ですか?
自動車の部品を作っています。メーカーさんに指定された割合に応じていろんな種類を何%かずつ混ぜて作っています。種類は大きく分けると、天然繊維 綿 麻 毛糸の原料 化学繊維 ポリエステル アクリル ナイロン 半毛 動物性繊維 羊の毛 ミンク ウールです。混ざり合ったものを反毛すると綿状になります。木工用ボンドみたいな業務用ボンドで貼り付け、綿を熱加工して板状になります。そして業務用ホッチキスでつなぎ合わせるのです。するとフェルトになり、これをプレスで決まった自動車の形にします。隠れた部品は決して公に出てこないので印象が少ないのがこの仕事です。
自動車関係は1日に200台作るなら200台分だけを作ります。その日の生産分しか発注されなくていつ発注されるかわからないので、たくさん在庫を持っています。型が送られてくるのでその型に合わせて上から圧力をかけ、形にします。型が壊れたりしたら、わが社でもっと頑丈なのを作ります。一回で五枚ほど型が取れます、もっと厚いのだったら一枚しかできないのもあります。それによって値段も変わります。裁断する機械もあります。ギロチンのようなもので使える人が限られています。
小学生に今の仕事を言葉で伝えるとどんなになりますか?
皆様が着古した古着をゴミとして廃棄せずに、新しい形として生まれかえるリサイクルな仕事です。
繊維の種類によって違いはありますか?
天然繊維は放っておいてもいずれ自然に還るので害がありません。田んぼの冬は霜が降りるので、凍らないように大きなフエルトを置いたりして養生シートを作っていました。動物性繊維の使用目的は火に強く燃えにくいです。化学製品は燃えやすいがボリュームがあるのでクッション座布団、ぬいぐるみ、詰め物の綿によく使われていました。カーペットは強度があります。目的に応じて割合は変えています。衣類で綿になりにくいのは革製品とかカーテンのレースとか編み方がきついので機械にかけてもほぐれません、あとは野球のアンダーアーマンや、フリースはほこりになってしまってあまり使えないです。マスクや生理用品下着の反毛はポリエステルが肌触りがいいですが、熱にとっても弱い材質なので、ポリエステル関係は、これを加工して綿に混ぜながら綿に熱をかけることによって一回溶けて冷やされ、また個体にしています。
色は、雑色や紫が多いです。 赤いフェルトがほしい時は、絵具と同じで赤っぽい服をいれることで赤になり、より赤にしたい場合は黒を抜きます。逆に黒を希望する人には黒をいれます。いろんな用途によって繊維製品名だけに柔軟な対応ができます。
在庫はどれほどありますか?
在庫は150トンほどあります。一番の繁忙期は1か月で300トン動いていた時がありました。今では円高や海外生産で国内生産が減ってしまっているので200トンほどです。季節によって入ってくる衣類の材料が異なってしまうので一年中材質の変わらないフェルトを作るために、春物から冬物までの在庫を管理しています。夏場は汗をかきやすいので吸水性のいい綿や麻が、冬場は寒いのでウールだったり、ジャンバーだったり、ポリエステルが多く入ってきます。
どのように反毛業界に古着が集まってくるのですか?
日本中の各自治会や、学校で資源回収を行っていて、集まった古着を原料屋さんが集めます。そしてワイシャツなど綿関係のものは、工業ウエス各工場で油を拭いたり水分を拭きます。中古衣料は売れるものだけ抜いていきます。最後にどうにもならないものが反毛業界に流れてきます。着れるものも流れてきます。
ライバルはいますか?
同業者がライバルですが、時代の流れもあり今はお互いに補い合い協力しています。
面白いと思える社員や凄いなと思える社員のどんなところをそう思いますか?
常に前向きに考えられる人と、固定観念外の発想の人です。
現在の事業内容で、学生の意見を取り入れるとしたらどんなものがありますか?
我々の固定観念外の発想、現代人の発想です。芸術大学と連携したとき、学生さん達がリサイクルコットンと称して制作された靴や服には驚かされました。
5年後または10年後、会社はどんな環境にあると思いますか?
日本の産業工業は、決して楽な環境ではありません…最近は若者の車離れがあり、車が売れなくて困ってしまいます。周りの高齢化後継者不足は止められず、自社の強みを打ち出せれば現状キープです。
これからどのように活動していきますか?
自動車以外でも製品を使ってもらいたいです。芸術大学と連携して作成された製品のように我々の固定概念外の発想がほしいです。
夢があれば教えてください。
岡崎の繊維製品、弊社の製品を使用したロケットで、宇宙に行ってみたいです。
学生から見た「栄反毛工場」の魅力
職場の雰囲気は、社員が少い中でも作業分担がしっかりしていて、社員同士に壁が少なくていい雰囲気だと思いました。車の見えない部品でもその部品がなければ車は完成しないので縁の下の力持ちのような重要な仕事なのだと働きがいを感じました。また、現状の製品のみでなく、たくさんの試行錯誤やアイデアより、将来性を強く感じました。
インタビュアー:磯村・神谷・高木
撮影:犬塚・伊豫田
企業情報
企業名 |
合資会社 栄反毛工場 |
代表者名 |
|
所在地 |
〒444-0012 愛知県岡崎市栄町5丁目31 |
TEL |
0564-24-0111 |
FAX |
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