企業インタビュー
嘘をつかない行政書士 ~1万人に好かれるよりあなたに好かれたい~
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<会社について教えてください。>
社が創業にいたるまでの経緯や前職からの流れなど教えてください。
高校卒業後1年間鈴鹿のホンダの工場で働き、その後近畿大学へ進学しました。
23歳で就職し、愛知県一宮市の今と同じような職種の事務所で3年間修行しました。
朝9時から翌朝4時まで働いて18万の給料でした。
その後、違うところで勉強したいと思い事務所を辞め、前の事務所とエリアがかぶらない岡崎へ来ました。
岡崎に来てから一度他の所に勤めましたが、方針がお客さん中心ではなかったこと、儲け目的であったところが納得できず、2ヶ月で辞めました。
そして創業登録費30万円を親に借りて創業しました。当初は他の会社の一部を借りていましたが、知り合いの社長の紹介で現在の場所へ移動しました。
創業当時苦労したことは何ですか。
岡崎に縁もゆかりもなかったから知り合いがいませんでした。創業当時は暇でやることがあまりありませんでしたが、徐々に忙しくなりました。
始めてのお客さんはたまたま知り合った、建築士の方で、1年目の売り上げは10
0%その方からでした。
経営理念を教えてください。
「街づくりのお手伝い」です。
社名の由来は何ですか。
苗字から一時取った「藤」が由来です。将来は個人ではなく事業を大きくして行くつもりでしたので、フルネームを使った事務所名はやめました。
ローマ字にするとお年寄りが読めないかもしれませんので、平仮名でゆるくしました。
現在の主な事業を教えてください。
わかりやすく言うと、建物を建てたい人から仕事をもらい、図面を書き、役所などに書類を出すことです。
そのほかにもアドバイス、コンサルティングを行っています。
近頃取り組んでいる新しいサービスは何ですか。
車の名義変更です。陸運局で手続きしお客さんに渡す流れになります。大阪の陸運局まで車を持って行くこともあります。
お仕事以外でも結構ですが出会いや趣味などで、現在の仕事感に大きく影響する出来事はありましたか。
もともと人見知りですしそんなに人の前で喋る様なタイプでもなかったのですが、一宮で働いているときに名古屋のクラブに行っていて、それが今の仕事に凄く役立っています。
音楽が好きで通っていて、そこで現在の従業員とも出会いました。彼が18歳のときにたまたま音楽が好き同士で知り合って、仲良くなりました。
知らない人と喋る。そこでどうやって喋ろうかと考えることが凄く仕事に役立っています。
クラブに行って知らない人と話して盛り上がる。その行動が大人になって凄く役立ったかなと思います。コミュニケーション能力はクラブで培いました。
今一番アピールしたいサービスや強みはありますか。
図面が書けることが売りなので、それをもっと色々な方に広めていきたいです。
企業は大きくなると維持するために報酬額が大きくなります。つまり上乗せ額がすごく増えて来ますが、うちの事務所はまだ2人ですし増やしても10人までと思っていますので、他社さんよりもお値打ちにサービスを提供できます。且つ20年たってもまだ50歳ですから、多分そのときの50歳の人と自分の経験を比べたらだいぶ経験豊富だと思いますので、他社さんに比べても安くサービスを提供できると思います。
お客様はなぜ御社へ仕事を依頼すると思われますか。
正直なところだと思います。
私は口が悪いし、嘘つけないタイプなのですけれど、多分お客さんにとっては良いことなのだと思います。お客さんにとってメリットがないことは言わないし、逆にそれはしないほうがいいですよと提案することもあります。
ライバルはいますか、またそこは具体的にどんな会社ですか。
建築士さんです。やはり建物にはすごく詳しいですから。専門用語などを学校で習ってる方々が多いので建築士さんにはなかなか知識で勝てないというのと、うちは建物よりも土地の方が詳しいですが、土地を測量する人がいて、土地の測量をした後僕らのほうで図面を書いていくと言う仕事の流れになるので、土地家屋調査士さんも競合先になっています。
建築士、不動産専門の行政書士、土地家屋調査士、3つの職種の人が競合です。
今後の夢について教えてください。
キャデラック・エスカレードに乗りたいです。アメ車ですね。
図面はなぜ書けるようになったのですか。
理系でもないのに、以前勤めていたときにやり始めたのですが、パソコンとCADのソフトだけ入っているパソコン渡されて「勉強しておけ」って職場の人に言われて。テキストも無いようなソフトを自分で一通り触って覚えました。
今まで正直であってよかったことはいつですか。
お客様にアドバイスして「ちゃんと言ってくれて良かった」と、お客様に感謝されたことです。
この仕事は、建物を建てる前に色々な申請を出します。
例えば本当は10個申請が必要です。うちの事務所で検討したら10個いるけど、他の事務所だったら「8個いるよ」としか言ってこなかった時、お客さんは、「どうしてお宅の事務所は10個申請がいるの?」という話になります。
他の事務所の人で、正直じゃない人は8個しかいりませんよと言って、安い金額で仕事だけ先に取って後から2個申請が追加で出たと言って、お金をもらう人もいる。それを意図的にやっている人もいます。でもうちの事務所では、初めから10個いると言って、そこでお客さんが他の事務所と比べた時に「あっ、そういうのもいるんだね」って言われると言うこともよくあります。
最初からオープンになって、わかっている期間で伝えてあげた方がお客さんとしてはメリットがあると思って、うちの事務所ではそのようにしています。
付加価値とは何ですか。
自分の持っている土地なのに建物が建てられない土地があり、岡崎市にも愛知県にもたくさん建てられない土地があるのですが、愛知県や岡崎市がこういう基準にあったら建ててもいいよと言う基準もあります。そういった時に、何もできないと思っていた土地をどういう風にすればその基準に当てはまって建物が建てられるようにできるのか。その頭脳というかその発想の部分が私たちの付加価値です。この付加価値に何百万もつけている人もいますが、うちの事務所は上乗せしていないです。
どんなところが建たない土地ですか。
例えば、事務所の真向かいの田んぼは立てられない地域に入っています。それを決めたのは岡崎市です。では田舎などなぜ田んぼの中に建物が建っているのかといったら、昔から建っている所は例外的にいいですよ。と認められています。例えば向かいの田んぼにどうやったら建てられるかとか、どうやったら田んぼの他に土地の活用が出来るのかとか、不動産屋さんから話が来て、いろいろ考えて提案していく感じです。
先生と呼ばれることについてはどうですか。
初めはすごく嫌でした。殴りたくなるくらいに。やめてって言っていましたが今は諦めました。先生って言われて喜んじゃだめだと思います。
先生と呼ばれるのは慣れましたか。
先生と呼ばれるのは慣れないです。創業して5年位なのにいきなり先生って言われるのは気持ち悪いし自分は嫌です。普段、取引している方は呼ばないです。
ちゃんとした場で呼ばれるのはいいとは思いますが、仕事で言われるのはちょっと嫌です。
行政書士ってちなみに普通は何をやるのですか。
すごく思っているのが創業のときから行政書士にとらわれないことです。だから自分がやっていること行政書士の仕事全てだとは思っていないです。
一般の行政書士の人が多くやっているのは車庫証明です。あと、外国人のビザをとるのをやっている人は多いですかね。あとは、車の名義変更、建築業者さんの建設業許可などです。
一般の行政書士の仕事はそれがメインです。ですので、うちみたいに土地とかお店関係とかやっている方はあまりいないと思います。
行政書士と司法書士では何が違うのですか。
司法書士って言うのは土地とか建物の名義をつける人、「所有権」というのを買える人です。
例えば建物が売りに出ていて、そこの建物が柴田さんの名義だとして、柴田さんって言う人から藤本が買ったよと。それを誰かに証明するのに何かがないといけないですが、法務局に「藤本が買った」と言う書類を出すのが司法書士さんの仕事です。
行政書士が司法書士の仕事をすると捕まりますか。
行政書士は捕まります。捕まって新聞に載っている人もいます。
おそらく、行政書士が士業の中で一番捕まっています。他の弁護士さんとかの仕事をして捕まったりする人が多いです。
資格は必要ですか。
国家資格が必要です。
司法書士さんは年に試験が1回で合格率3%くらい、行政書士は年に1回で8%くらいです。
司法書士さんは行政書士さんの仕事をしても良いのですか。
駄目です。両方持っている人は両方の仕事ができますが、個人的に思っているのは、両方持てる人はそれなりの仕事しかしていないと思います。
専業じゃないから人数がいたらベストですけどね。だから一応、国家資格を取って、仕事をしています。
資格はいつごろ勉強しましたか。
資格は大学行っているときに独学で2年間やっていました。1年目は落ちて、2年目は受かりました。
やはり受かる年はそれなりの自信があって、3時間試験時間がありますが1時間30分で回答が終わって1時間30分寝ていました。
大学では全く違うことを学ばれたのですか。
大学は経営です。でも3年から法学でした。
経済を学びたくて大学に入り、もともと法律にも興味があったので3年生のときに法学部に編入しました。
その法律に興味を持ったのも「ミナミの帝王」からです。
関西出身なので毎週日曜日にテレビでやっていて、それを毎週見ていたから凄く興味が湧いたのがきっかけです。
だから他の士業、行政書士、司法書士、弁護士さん、税理士さんとかよりも動機が不純です。きっかけが他の人とは違うと思います。
法学部に行ったのなら、弁護士になろうと思わなかったのですか。
興味なかったです。別に人助けがしたいとかじゃなくて、ただ単に資格取っておけばいいかなっていうので宅建(宅地建物取引士)を始め1ヶ月くらい勉強していました。
それを勉強していたけど、その後はどうするの?と誰かに言われて、じゃあ、って言って行政書士になりました。
大学の友達とは現在でもつながっているのですか。
全くつながっていないです。
高校も中学校も大学もフェイスブックとかではつながっているけど、独立するまではそんなに人脈がほしいとは思っていませんでした。
別に1人で生きていけるし、そんなに人の大事さが分かっていなくて一匹狼的な感じでした。
独立して人の繋がりの大切さに気づいたから良いのですけど、それまで全然人のこと考えていなかったですし、同級生が何しているのか知らないです。連絡は取りますけど。
今はそんなことないですけど昔は尖がっていましたね。
インタビューにご協力いただきありがとうございました。