企業インタビュー
「素直に学び、素直に受け入れる」
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会社の成り立ちについて教えてください
弊社は平成19年10月に、岡崎市内にある税理士事務所から独立して、岡崎市内に創業しました。もともと独立する事を前提に働いておりましたので、税理士の資格取得の勉強をしながら働いておりました。
税理士事務所の仕事内容を教えてください。
簡単に言うと、弊社では簿記技術を使用して、依頼された事業所の税務書類を作成しています。その日常の作業手順はおおまかに3つあります。これは税理士の独占業務ですので、税理士が管理をする必要があります。
① 商品を注文すると請求書(証拠書類)が届きます。その請求書を、預かりファイリングします。支払いをしますと,領収書をもらいます。やはりその書類を預かりファイリングします。近年はカード会社で支払う事業所も増えてきましたので、弊社では依頼先から明細書を預かり、カード会社の支払いと照合します。その照合をしないと、実際依頼先の事業所さんが使用した金額とカード会社に支払われた金額と違うことがあるからです。
証憑書類は日付順で手書きの番号が記入してあり、その後の取引との関係が一目で分かるようになっています。この証憑ファイルは、零細企業でも500から1,000ページぐらいなります。
② この証憑に基づいてパソコンにデータ保存した後に、仕訳を入力して行きます。
③ その後に、この取引があったのか確認します。
過去の税理士の仕事と、現在の税理士の仕事での違いは何ですか
20年前は元帳を基に、手作業で決算書を作成するのが税理士の仕事でした。しかし、現在ではコンピューターで決算書を作成し、それを管理することが税理士の仕事となりました。
会社の将来の方向性について教えてください
一般に税理士事務所は,2つの方向性があると思います。
① 経営コンサルタントとして、今まで以上に各事業所さんへ情報提供を行うこと。
簡単にいうと、お客さんの売上げを伸ばすことが出来ようになど、アドバイスすることです。経営コンサルタントはあらゆる情報を基にアドバイスをする必要があり、簡単にできるものではありません。
② 税理士として法律を学び、税務に関連した法律の相談に対応出来るようになることです。
法律に強い税理士として,お客様に対応できることを目指しことです。
私は、法律の分野も強い税理士を目指しています。法律に関する質問はお客様から多く受けますので、それらにしっかり対応出来していきたいと考えています。
最近では国税庁の不服審判所についての事例研究をまとめ、論文の発表をしています。
創業当時に苦労したことは何ですか?
一番苦労したことは資金を用意することです。机など、当たり前にあるものを一から揃えないといけないので、小さな事務所でも700万円以上かかってしまいます。信用金庫からの借入れもして創業しました。その時に、信用金庫の方から事務所経営や心意気を学びました。
苦労した二つ目は、お客様に契約書にサインしてもらうことで、最初のころは、後ろ盾もなく、相談する相手もいないので、取引先を見つけていくことが、とても大変でした。
取引先はどのようなところがありますか?
一般的な事業所だけでなく、神社、病院など、様々な分野の取引先がみえます。最近は、ベトナム人の研修実習生を管理する事業所、中国の方の経営する会社、タイに住んでいるラオス人が日本に会社を設立するお手伝いをしたりと、変わった依頼もありました。
お客様は、なぜ貴社に依頼するのかと思われますか?
私自身もわかりません。「なぜ自社に依頼するか」がわかっている経営者はいないと思います。ただ、私は「営業」をするのをやめ、「お客様の向こうに、お客様がいる」と思い、来てくれるお客様と真剣に向かい合い、関係を大事にするようにしています。そのほうが地道ですが、いい仕事ができると思いました。
お客様に依頼してもらうために大切にしていることはありますか?
中国の古典が好きですので、『論語』などを読み、必ず毎月請求書に論語の一説を引用して自分の人生観をもとにメッセージ同封して伝えています。はじめてから10年経っているので,もうメッセージは100通以上になっています。
税法の難しい問題を解決するなど仕事の依頼は様々でしょうが,経営者としての人間力も大切だと考えています。
お客様と関わる中でどのような時に喜びを感じますか
一番の喜びは、お客様が他の方に弊社を紹介してくれることです。紹介して下さるということは100パーセント弊社のことを信用してくれているということだと思います。このため、「この人を」という形で、自分のことを紹介してもらえた時は、嬉しい気持ちになります。昔、「仕事が仕事を生む」という言葉を伺ったことがありますが、本当にその通りだと思います。
ライバルとして意識している会社はありますか
ライバルとして意識しないようにしています。というよりも、人と比べないようにしています。
競争することよりも差別化をして顧客を得るという考え方ということでしょうか
結果的にそうなっているかもしれませんが、意識的におこなっているわけではないですね。
ただ私は、自分が挑戦したいと思えば、行動を起こすようにしています。最近具体的に何をしたかというと、LINEのスタンプを作ったり、オリジナルのジュースを作ったり・・・
面白そうなことが多いですね!
挑戦した結果を話すと、面白がってくれる方は多いですね。そこから取引が広まっていくものもあると思います。
私が独立した時は、ちょうどリーマンショックが起きてお客様も色々と大変な時期でした。その様子を見て、自分も何か力になれないかと考えました。その結果「東南アジアは元気じゃないか、行ってみよう」と一人でベトナムに行きました。けれど、何も見つけることが出来ませんでした。街を歩いて「あぁ活気があるな」と思って帰ってきただけです。それをベトナムで経営をされている方に話したら「それでいいんです、現地へ赴くことが重要じゃないですか」と。それを聞いて、「行動を起こした分の元はとれたな」と思いましたね。
こういった経験から、何でもチャレンジすることが大事だと思っています。失敗することが多いですが、「犬も歩けば棒に当たる精神」をもって、同業者の方を意識…という訳ではなく、自分がやろうと思ったことをやっています。
夢やチャレンジしたいことは何ですか
創業前から人生計画があって、20歳で就職したので、30歳までに資格を取って独立、40歳までに自社ビルを持つことを目指していました。50歳までには、日本一の税理士になることを目指しています。
「日本一」と大きなことをいいますが、税理士だって職人です。プロとして極めるものは、極めないといけないと思います。業務を請け負っている以上、相手が税務署だろうが何だろうが、きちんと筋を通せる人間にならなければいけないと思っています。
どんなお客様と仕事をしたいですか
どんなお客様とでも仕事をしていくつもりです。
ただ、お客様との関係においても、現場を大切にしています。現場を確かめたかどうかが大きな差があります。
また、仕事においては進んで面倒なことをするようにしています。簡単なことは誰でもでもできます。
.座右の銘、大切にしている言葉は何ですか
大切にしていることは、「素直に学び、素直に受け入れる」です。
「受け入れることを大事にする」といっても、あるがままに受入れることは、なかなか出来ないですし、つらく感じることが多くあります。
ただ、年をとればとるほど「自分の力じゃどうにもならないこと」があることが分かるようになりました。
お客さんとの関わり方で心がけていることはありますか。
お客さんとの関係性で一番やってはいけないことは「お客さんを神様」にしてしまうことです。これは絶対にやってはいけません。お客さんは神様ではない、わがままなところもあります。だから「悪いことは悪い」と私は言います。自分にとって「違う」と思ったら言わなきゃいけないです。私は常にプロとして有資格者としてしっかり指導することを大切にしています。何でもお客さんを持ち上げればいいというわけではありません。
神様として関わることでしか来てくれないお客さんだったら、もう来てくれなくていいです。例えば、「ネットでは~ができると書いてありますよ」と言って来られる方もいますが、「そのネットの人を信じるなら信じていてください、どうぞ」と言って断ります。それくらい言わないと、こちらも事件や問題に巻き込まれてしまいますからね。
商工会議所青年部に入ったきっかけは何ですか。
独立をきっかけに入会しました。最初は、青年部が何をやっているか全然知らなかったのです。私からすると学校のような感じです。お祭りに行ったり自分たちでセミナーを開催してみたりと、人と人との関係性を学ぶ場として出席しています。
本日は貴重なお話をありがとうございました。
学生から見た企業の魅力
職場の雰囲気
明るくて笑顔があふれる職場だと感じました。
働きがい
様々な職種の人たちと関わることができるという点に、税理士事務所では働きがいが感じられると思います。
将来性
野々山さんは法律についても学んでおり、将来は弁護士の役割も補えるような取り組みを進めていました。税理士事務所の将来像を見据えた上で現在のお仕事に取り組んでおられるののやま税理士事務所さんに将来性を感じました。
景川 由依
ガルバオ 香里奈
小屋敷 実夢
櫻井 美月
白井 雅子
企業情報
企業名 |
ののやま税理士事務所 |
代表者名 |
野々山育成 |
所在地 |
〒444-0075 愛知県岡崎市伊賀町2丁目4番地 |
TEL |
0564-47-8810 |
FAX |
0564-47-8805 |
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