企業インタビュー
「心に残る石づくり」
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創業から現在までの歴史を教えてください
私の曾祖父の稲垣清市が、山本喜三郎氏の下で石材彫刻の修行を積んだ後、23歳の頃に独立するという形で稲垣石材店がスタートしました。
創業当時の状況を教えてください
元々は石材彫刻メインで始めました。一人で黙々と石を切り、削り、掘っていくという作業を行い、その彫刻作品を一般の方に販売したり、神社やお寺などに観音像や狛犬などを納めたりしていました。この近辺では、梅園小学校や岡崎南中学校などに二宮金次郎像を制作して建立しました。
創業当時、ご苦労されたことなどございますか
当時は戦争の多い時代だったので、空襲が多く、石材彫刻用の図面等が空襲で焼けてしまったり、道具なども壊れてしまったので、その頃はどうしても仕事がおぼつかず、苦労したと聞いております。
それをどのように乗り切り、解決してきましたか
彫刻用の参考資料がなくなってしまったので、自分の記憶と修行時代に鍛えた腕だけを頼りに必死に頑張ったようです。
修行時代の経験が役に立ったのだと思います。
修行時代で辛かったことはどのようなことがあったと聞いていますか
石のほこりが酷く、土まみれにもなってしまうという、今の時代でいう3Kのような環境だったので、そこは苦しかっただろうと思います。また、曾祖父は背が160cmぐらいのかなり小さい体型だったので、体力的にも大変だったと思います。
会社の経営理念などございますか
稲垣家が始めた石屋なので稲垣石材店です(笑)
現在はどのようなお仕事をなされていますか
現在はお墓の販売、建立をメインにやっております。その他にも数は少なくなりましたが、お寺や神社などに設置する観音像や灯篭などの石造物、一般家庭向けのちょっとしたインテリア雑貨、料理屋さん向けに石で作った食器などを販売しています。
一般家庭向けのインテリア雑貨とは主にどのようなものを作っているのですか
.食器や花器、石のメモクリップやマウスパッドなどを作っています。今後もさらにラインナップを強化していきたいですね。
近頃取り組んでいる新しい商品やサービスはございますか
本当に最近ですと、神戸のステーキ屋さんに販売している石で造った色々な形のお皿です。
その他にも、お墓を建てた後の定期的なクリーニングサービスやお墓の将来の扱いについて生前契約を行うことができる「お墓のみとり」というサービスの提供も始めています。
お取引様は、主にどんな分野の皆様でしょうか?
60代前後の一般の方がメインとなります。あとはお寺や神社の方たちがお取引相手としては主な分野となります。
お客様はなぜ御社へ仕事を依頼すると思われますか?
できる限りお客様の立場に立った親身な接客と、ご提案を心掛け、お客様の入りやすい展示場や、わかりやすい資料をお渡しするなど、丁寧な対応をしているとことが評価されているのかなと思っております。
展示場では何を展示されていますか?
主にお墓や石像、最近はインテリア用の小物の展示も始めました。今後はお皿なども展示していきたいです。
あなたの会社で他社と違うといえるところはありますか?
創業して92周年という歴史があるところ、自社工場があるので自分達で石の加工もできる点、あとは京都の建仁寺など、各自のお寺で石像や記念碑を建てさせていただいた実績などが、他社様と違う点かと思います。
また、お墓ディレクター1級や終活アドバイザー、勤続25年以上の現場職人や勤続50年以上の字彫職人が在籍している点も当店の強みであると考えています。
お墓ディレクターや終活アドバイザーの方は主にどういったことをなされていますか?
お墓ディレクターというのは、石のことはもちろん宗教も含めたお墓に関する全般的な深い知識を有し、お客様に対し質の高いサービスを提供する存在です。難しい試験をクリアしなければならないので、1級は愛知県に10人程度しかいません。
終活アドバイザーは、地域の市民会館などで、お年寄りの方向けに終活に関する講演などを行い、将来のためにどういう準備をしたらいいのかということについて分かりやすく説明することを行っています。
ライバルはいますか?
具体的な存在はありませんが、常に当店を選んでいただくために、質の高いサービスと対応、そして品質を提供できるように心がけています。
現在の事業内容で、学生の意見を取り入れるとしたらどんなことがありますか?
真っ先に取り入れたいのは、一般家庭向けのインテリア雑貨や食器に関する意見です。
現在作っているものは無骨なものが多いため、業界的に数が少ない若い方から、デザイ
ンに関する意見はもちろんのこと、最近流行りの写真映えに関する意見なども頂きたい
です。また、今後のお墓の在り方についても若い人の意見を取り入れていきたいですね。
稲垣様ご自身の経歴について教えてください
私は大学を卒業してすぐは喫茶店でホールやキッチン、バリスタの仕事をしていました。
その後、営業の仕事も経験したく、医療機器メーカーの営業として2年ほど働き、2016年の10月に稲垣石材店に入社しました。
前のお仕事の経験が、今のお仕事に活きていると感じたときはありますか
業種で働いた経験から、石屋というのは一般の方から見ると特殊で閉鎖的な業種なのだということを感じたので、店内を綺麗にしたり、分かりやすい展示などといったことを心がけ、入りやすいお店作りをするようになりました。また、接客についても柔らかく質の高いものを提供しようと考えられているので、過去の経験が大いに役立っているなと感じています。
石材店で働きだした中で一番大変だったことは何ですか
喫茶店や営業をしていたので、スコップを使って土を掘ることや100kgもする石を運んだりする現場作業がとても大変で、慣れるまでかなり苦労しました。
お仕事以外でも結構ですが、現在の仕事観に大きく影響する出来事はありますか
大学時代に始めた茶道が活きているなと思っています。茶会に行くとご年配の方が多く、話す機会も多かったので、ご来店されるお客様とお話しする際にその経験が役立っています。また、礼儀作法の世界なので接客業に多分に活かせているなと感じています。
今後の夢について教えてください。
まずは、これからもお墓を大切にしてもらえる未来をつくることです。
そして石屋・石材店として、お客様(一般の人)の身近になりたいということです。
そのために、普段から来店しやすいような石に関する雑貨を売るショップを展開したり、喫茶店や茶道をやっていたのでそれらを提供できるような簡単なカフェのようなものをやりたいというのが今後の夢です。
<学生から見た企業の魅力>
「職場の雰囲気」
お客様と職員の方がゆっくり話せるような過ごしやすい雰囲気でした。
「働きがい」
お客様の話を聞き、提案をして、希望に沿ったお墓を考えてつくっていくので、働いている方は、お客様のイメージしているお墓に近いものをお客様と一緒につくりあげていくことにやりがいを感じているのではないかと思います。
「将来性」
お墓をつくること以外にも、石の食器やインテリア雑貨などをつくっており、常に石の可能性を考えて新しいことを企画しているので、将来性があると思います。
田中 まこと
冨田 周
中嶋 彩智
廣嶋 あみ
企業情報
企業名 |
有限会社稲垣石材店 |
代表者名 |
|
所在地 |
〒4440936 岡崎市上佐々木町字中切8-5 |
TEL |
0564-31-689 |
FAX |
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