企業インタビュー
大エビといえばやはぎ川
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Q1. 創業したのはいつですか?
昭和50年です。
はじめは祖父が額田町で、なんでも屋(よろずや)を営んでおりました。
その後、先代(父親)が矢作町に住居を移した際、矢作地区に商店がほとんどないと知り、こちらでもなんでも屋(よろずや)を営み始めました。
やがて近くにスーパーが建ち、魚屋が必要になった時に父が出店を依頼され、魚屋も営むことになりました。しかし、魚屋の将来には不安もあり、先代とその兄弟が相談して和食のお店も始めたのが創業となり、現在に至っています。
Q2. なぜ、お店の名前を「やはぎ川」にしたのですか?
お店の名前は、矢作川が近い町なのに、「やはぎ川」という名前の店がないのと、矢作川は知名度が高い川なので、憶えてもらいやすいのではという祖父の発想があったそうです。
また、先代が洋食に憧れがあり「クック」という名前を付けたかったそうで、先代の希望
で、会社名は「㈱クックやはぎ」になったそうです。
Q3 うれしかったことはありますか?
子供の頃、父の魚屋さんをよく手伝っていました。その時お客さんに「魚のお腹を出してください」と頼まれ、自分のやったことでお客さんに「ありがとう」と言われたことです。
商売屋に生まれて、それまでは半分遊びで魚を触っていましたが、初めてお客さんに「ありがとう」と言われたことで、自分のやったことが、こんなにもお客さんに喜ばれてありがたいないう意識がその時に芽生え、将来魚屋をやってみたいと思うようになりました。
Q4 では、大変だったことはありますか?
先代とその兄弟でやり始めた和食のお店は順調にはいかず、2年目には大幅な赤字を出してしまい、経営を立て直す為に兄弟で話し合った結果、先代がお店を引き受けました。
魚屋と料理屋をかけもちすることになり、その時が会社として1番大変だったそうです。
その当時、自分はずっと魚屋さんになりたくて、魚屋になるんだという意識のもとで、高校を卒業後には、辻調理専門学校へ進み、卒業後は先代の知り合いで、その当時全国で3番目に大きい魚屋に修行に行きました。
修行から戻り自分は魚屋に配属されましたが、魚屋とお料理屋の両方を掛け持ちする経営に自分が携わった時に、はじめて両方やっていても赤字が増えていることが分かりました。
そして家族で相談した結果、魚屋をやめ、お料理のお店「やはぎ川」のみにしようと決めました。
しかし、先代も含め自分たちが料理にほぼ携わっていなかったため、店の従業員ともども、試行錯誤の毎日でした。
また職場の魚屋では大先輩の存在となる先代の意見は絶対であり、自分と先代の意見の違いで、職場の従業員の雰囲気が悪くなったり、迷惑かけたりしないだろうかという気持ちがだんだんと強くなり、だったら自分が我慢すれば何とかなるのではという考えがストレスとなり、当時63キロあった体重が3か月で48キロまで落ちてしまい、病気で1年半通院したこともありました。
お客様にとって何が一番大切か、また先代や従業員にどうしたらお客様が喜んでくれるかを一緒に考えてもらうには、自分も話さないと伝わらないと気づき、まずは自分の保守的な考え方を切り替えるまでが一番自分にとってはとても大変でした。
今では皆で話し合い、解決しています。
Q5 大きな影響を与えられた人物はいらっしゃいますか?
もちろん両親です。
「お客様だけが満足しても、お店は長続きできない。
お店だけ満足しても、お店は長続きしない。
お客様もお店も満足して、はじめてお店は繁盛する。」
商売の秘訣を子供のころから見せてくれた 父親
「今日のごはん美味しいね。これ何の魚?」と、会話の始まりすら引き出す料理を目分量
で作れて、常に何気ない心配りを普通にできる母親。
あれは本当にすごいなと思います。
皆さんも同じだと思いますが、自分にとってごちそうとは、母の味だと思っています。
Q6 お客様はなぜやはぎ川に仕事を依頼すると思いますか?
先代の商売の教えをずっと守っているからだと思います。
これからも私達は日々努力してお客様と信頼関係を築いていきたいと思っております。
Q7.お客様からのご意見などはありましたか?
馴染みのお客様も年配になり「座椅子では座る際に足が痛い」との声がありました。
自分も椅子のほうがやはり楽だと感じましたので、座敷でも使える椅子と机を導入しました。
それからトイレも、お客様から「足が痛い、膝が痛い」などの声と、女性のお客様も多いということで、女性専用のトイレを新たに設置し、便器も洋式の自動で水が流れ、ふたも自動で開閉するものに変えました。
これから変えていきたいと考えているのは、車いすでもそのまま店に入れるように段差をなくしたバリアフリーのお店にしていきたいと思っています。
また、車いすのままでも料理を食べられる机への変更も検討中です。
Q8. 人気のあったメニューは何ですか?
以前に作っていたメニューの、普通のエビと刺身の組み合わせのものです。
海老と刺身が両方とも食べられるとの理由で1番人気が高かったようです。
しかし先代が大エビにこだわり、大エビと刺身のセットでは金額が高いのではという
問題もありましたが、「まずは来てもらおう!知ってもらおう!」と言う気持ちから、お値打ち価格にて、お刺身盛り合わせと大エビがセットにしたものを、1日10食から始めていました。
現在は残念ながら大エビの高騰などの理由によりやっておりませんが、そのかわりとしまして、以前テレビ番組の取材でウド鈴木さんが食べてくれたメニューの大エビとミニ刺身の組み合わせを提供させていただいて、人気を得ております。
当店にお越しの際は是非とも試して頂きたいメニューの1つです。
Q9.エビへのこだわりを教えてください
ギアナという種類にこだわっています。ギアナは甘みがものすごく強いエビです。
養殖のエビには身にそこまで味がないので、調理する際は味を塩などで補わなければ
なりません。その点ギアナは、身の甘さだけでなく旨みも兼ね備えています。
さらにギアナと他のエビとのと大きな違いは、ギアナは冷めた時でも味が美味しいという点です。
家族や友人ご来店のくださった時、会話が弾みお料理が冷めてしまっても、美味しく食べて頂きたいという気持ちから、当店ではギアナを使っています。
経営者としてなら、利益を上げるためなら安いエビを使ってもいいと思ったこともありま
した。しかし料理人としては、自分で食べて一番美味しいと思うエビを使いたい。正直、コストはすごく掛かりますが、せっかく来てくださったお客様に、家では食べられない美味しいエビを出してあげようというのが、自分のこだわりです。
Q10夢はありますか?
ウド鈴木さんが来てくれた時のテレビを見て来店してくれたお客様に、「知多にあるエビで有名なお店より美味しい。大エビと言ったら、やはぎ川さんだね。」と言ってもらえた事がとてもうれしくて、「大エビと言ったらやはぎ川」と誰に聞いても言ってもらえるお店にするのが自分の夢です。
学生から見た「やはぎ川」の魅力
職場の雰囲気
お店を開けた時に、昔ながらの温かみのあるお店だと感じました。
お店の方も笑顔で、一人でも、友達や家族と来ても落ち着いてお料理を食べられるような
雰囲気を感じました。
また、お店の入り口にいけすがあり、お子さんも見て楽しむことができるだろうと思いま
した。
働きがい
もちろん料理の腕を磨くことや、魚についてなども学ぶことができ、働きがいがあると思
います。
また近所に住んでいらっしゃる方がお客さまとしてご来店いただけると聞きました。
地域の方と接することができ、やはぎ川が古くから培ってきた地域との絆を働いていて感じることができることが働きがいなのではないかと思いました。
将来性
馴染みのお客様も年齢層が上がってきており、それに合わせて机や、イスを改善し、バリアフリーにしていこうなどの、お客様への配慮がとても感じられました。
お料理も大エビという独特なメニューがあり、テレビでも取り上げられるなど、これからもよいお店になっていかれるだろうと思いました。
編集長 鈴木菜美恵
編集者 坂田留理
撮影・動画編集 成田里沙
画像編集 鈴木花歩
インタビュアー 花畑絢圭
企業情報
企業名 |
やはぎ川 |
代表者名 |
鈴木哲也 |
所在地 |
〒444-0943 愛知県岡崎市矢作町字中道53 |
TEL |
0564-32-0580 |
FAX |
0564-32-0580 |
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