<会社について教えてください。>
創業の歴史を教えてください。
創業は私の祖父が1960年に磯貝石材店としてはじめました。その後、父が1978年に
有限会社 磯貝彫刻を設立、その父が他界した2014年に私が代表取締役に就任しました。
創業当時の状況を教えてください。
花崗町には昔から石屋さんが商売をしていました。岡崎城の石垣を積んだ石積み職人が工事が終わった後もそのまま住んでいたんです。その花崗町で祖父が一人で始めたので、工場もなにもありませんでした。そこから機械化が進み、点々とやっている同士で集まって「大きくやろう!」と言ってできたのが今の矢作石工団地です。それからここで商売しています。
創業当時ご苦労された事などはございますか?
創業当時は高度経済成長期ということもあり、「作れば売れる」時代だったようです。でも1980年代頃、海外からの安い輸入製品が出回り、全国の石屋さんが一斉に加工を止め、輸入品の販売に力を入れるようになりました。その結果、価格競争が激化し、安売りの中国製品が大量に出回りました。その後バブルが崩壊し、需要は一気に冷め、国産の製品が売れない時代になりました。
それをどのように乗り切りましたか?
うちはずっと彫刻専門でやっていて、全国の石屋さんに製品を納めていたのですが、とにかく頼まれた仕事を丁寧にやり、彫刻を作り続けました。いいものを納めてくれたと喜んでもらえれば、必ずもう一度頼んで頂けると信じていました。苦しい時代でしたが、結果、職人の技術は上がり石屋業界のなかでも彫刻品に対する信頼を得ることが出来、全国から注文が増えるようになりました。
会社の経営理念はありますか?
やっぱり「ひと彫り、ひと彫り、心をこめて」それに尽きます。私たちは祈りの対象を作っています。一番大切なのは「人の想いをカタチにしている」ということです。それは図面通りに作る精度や、早く大量に作る技術とは違い、正解の無い、ある意味ではとても曖昧なものです。だからこそ、「これは何を願い頼まれたのか、完成した製品は、何を伝えていくのか」そういったことを考えながら作ることが大切だと考えています。
会社名の由来はなんですか?
こだわりがわかりやすい名前でつけた、と聞いてます。磯貝石材店、とかにしなかったのは、父の彫刻に対する思いがあったからですね。
現在の仕事内容はなんですか?
今も昔と変わらず、仏像や神社の狛犬などの石像を作っています。最近はペットや、キャラクターの写真を持ってきて、これを作って下さいと頼まれることもあります。岡崎市内にも、矢作橋や岡崎城公園内などに弊社が作った石製品が設置してあります。
近頃取り組んでいる新しい商品やサービスはございますか。
今は一般の方の住宅事情も変化してきて、今までのように日本庭園に灯篭、という家庭も減ってきています。なので「石をもっと生活のなかに」をコンセプトに、なるべく安価で買える製品や、今まで通りのふくろうやたぬきなども含めて、簡単に持ち帰ることができて、お土産で渡したりしやすいように商品を入れる箱やカタログを充実させています。
社長・担当者の経歴について教えてください。
石川県の金沢美術工芸大学というところで彫刻の勉強をしていました。その時に教わったことが今に活かされていると思います。大学の卒業式は仮装するのが定番で、毎年TVの取材が来たりしてました。いい経験でした。
お仕事以外でも結構ですが、現在の仕事観に大きく影響する出来事は何ですか?
金沢美大での出会いですね。一般常識的な価値観にとらわれず自由度の高い人間が多かったので現在に大きく影響しています。
ご自身のターニングポイントについて教えてください?
会社の代表取締役になったことが一番大きい。父が亡くなってから代表になったため、細かいことまで自分がやらないといけないから大変でした。しかし、代表になったことによって新しい一歩が踏み出せたと思います。
会社の事業内容(今一番アピールしたい商品やサービスの特徴・特性・強み、その開発の物語、マーケットの中の立ち位置、お客様の声など)についておしえてください。
事業内容は石の彫刻、家の玄関などの張り石、墓石の施工などですね。アピールしたい商品は、石輪花-いしりんか-Ⓡという花器です。お土産として気軽に持ち帰ることができるので、もっと石を身近に感じて頂けたらと思います。
お取引様は、主にどんな分野の皆様でしょうか?
全国の石屋さん、お寺、神社などです。
お客様はなぜ御社へ仕事を依頼すると思われますか?
商品の品質に対する信頼だと思います。
あなたの会社で他社と違うといえるところはありますか?
やっぱり彫刻の技術の高さですかね。
ライバルはいますか?そこは、具体的にどんな会社ですか?
ライバルというより、今の自社の技術をさらに引き上げ、どう引き継いでいくか、が重要な課題です。
最後に夢があれば教えてください。
石の彫刻品を作る技術は残していきたいです。技術を引き継ぐということは、同時に石に刻まれたメッセージを引き継ぐということでもあります。今の時代だからこそ出来る石製品を作り、新しいメッセージを残していきたいです。
職場の雰囲気
加工場は何人かの職人さんがいて、黙々と作業を進めており厳かな雰囲気です。
働きがい
お客様の想いを汲み取り、その想いを形にする。そうして自分たちの作ったものでお客様に喜んでもらえるところが働きがいであると感じました。
将来性
加工を他に任せることはなくすべて自分たちでやっており、物がよく、安心で表情まで豊か。
ここでしか出来ない技術がある。
海江田 亜里沙
舗野 遥
藤本 琴乃
脇田 桃佳
企業情報
企業名 |
有限会社磯貝彫刻 |
代表者名 |
磯貝 泰隆 |
所在地 |
〒444-0936 岡崎市上佐々木町字西勝18-2 |
TEL |
0564-31-4854 |
FAX |
0564-32-3033 |
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