企業インタビューページは、青経連と岡崎女子短期大学による産学共同事業です。
岡崎女子短期大学生が青経連加盟の各企業を取材し、学生の視点で発見した各企業の魅力を発信するページです。
企業インタビュー
古紙で日本の未来を救う、地球にやさしい会社
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【ニチモウ商事について】
創業の歴史を教えてください
昭和49年岡崎市橋目町内で三河通商(株)として設立し今に至ります。
主にグループ会社である日本モウルド工業(株)の「パルプモウルド」主原料である新聞古紙の調達を行っています。
平松さんはこの仕事を始めて何年くらいになりますか?
私は、7年になります。
どのような仕事をされていますか?
岡崎市ごみ収集で3分別の紙製容器包装が集荷されますが、その集荷物を工場内で紙類品目毎の選別やビニール袋の排除を行います。そしてその選別は、製紙会社に出荷し再利用されていくことになります。
また、家庭や企業から排出された古紙類を集める仕事があり、「パルプモウルド」へとリサイクルされます。
近年取り組んでいるサービスは何かありますか?
近年は、電子化の流れに伴いペーパーレスが進んでいます。紙の需要が減り、特にパルプモウルド主原料の新聞古紙の発生が年々右下がりになっています。
これに伴い、パルプモウルド製造で培われた溶解技術を生かし、機密書類の溶解を専門に行う機密紙処理センター(安城市東端町内)を平成29年に立上げました。
この会社はニチモウ商事といい、岡崎本社とは別に安城市にも2つ事業所があります。
また、岡崎に10人、安城に20人社員が働いています。
これらの資源はどのように分けられているのですか?
こちらが新聞・雑誌・紙製容器包装で品目別に分けています。
新聞は製紙会社に持って行き新しい新聞に生まれ変わります。
雑誌は雑誌・ボール紙など紙の種類によって使用目的が違うので分別して置き場を変えています。
岡崎市委託のごみ袋から中身を取り出して、手作業にて品目別に選別しています。
これは、新聞を集めて雑誌類をはじいてプレスしたもので約1トンの重さになります。
さらに、中に色々なごみが入っているので、それを取り除き、プレスしたものを製紙会社へ大型トラックに積んで出荷します。
この選別時間は、新聞・雑誌で約6-7分、紙製容器包装で約90分かかります。
選別する機械で選別されなかったものは、どのようになりますか?
紙以外で再生できないものは、ごみとして捨てます。
最終的に混ざっていたらどうしますか?
そのままプレスして出荷します。完全に取り除くのは難しいので若干混じることはあります。
例を挙げると、新聞などを縛るビニール紐です。
「ベーラー」と言うプレスした1tの塊は製紙会社に行くのですが、
そこでこちらで取り除けなかった物は水で溶かす際に取り除かれます。
また、白い紙やトイレットペーパーも同じようにつくられます。
元々茶色い木を漂泊して白くしたり、白い紙を集めて製紙会社に持っていき
インクを取り除くことで白い紙に生まれ変わります。
紙以外のものはどう再生されるのですか?
牛乳パックは牛乳パックに、アルミ缶はアルミ缶になります。資源のリサイクルをする
地球にやさしい会社です。資源回収や古紙業者さんが持ってくる資源を集めて選別し、きれ
いな状態にして製紙会社やグループ会社の日本モウルドに出荷します。
この仕事をしていてやりがいを感じたことはありますか?
回収に行ったときに「ありがとう」「ご苦労様」などの一言挨拶をもらえると、「それが生きがいになるのかな」と思います。人って、いいことを言うのは簡単です。
でも、その一言を聞ければ人間喜びますので...。
逆につらかったことはありますか?
リーマンショックの時、集荷された古紙を選別してプレスされた製品が製紙会社に出荷ができなくなり、多くを在庫として長期保管を行ったことです。
さらに、こういう仕事は、作業するところが屋外の場合もあります。
夏は気温が40度近くに...。そんな気温の中、積み込み作業があるとやはり体力的に厳しいですね。
資源を出すときに気を付けてほしいことは何かありますか?
決められたルールに基づいて資源を出してほしいと思います。
今は岡崎市の紙製容器を選別していますが、たばこの吸い殻やカップヌードルのごみ、弁当の容器などといった関係のないものが混ざっていることがあります。紙と一緒にしておくと匂いがついて売り物にならなくなってしまい困っています。
また、スーパーなど無人の回収場所では、人の目がつかないからと一般のごみが置いてあることもあります。掃除機が置いてあることもありました。
掃除機ですか!?
はい。私どもも回収の義務がありますので、回収します。しかし紙をリサイクルする技
術はありますが、自社でプラスチックなどはリサイクルできません。最近では、リサイクル
できるプラスチックも出ているようですが、それは全く別の物ですので...。
また、「マッチ」や「カセットボンベ」などの可燃性のものが入っていると、パッカー車で
つぶすときに火事が起こるというリスクもありますので、そういうものは別にしていただ
きたいなと思います。
最後に今後の夢を教えてください。
日本モウルドグループにおいては、プラスチックによる海洋汚染の負担を防ぐために、古紙を原料とした包装材・緩衝材への切り替えを積極的に提案し、この時代の流れに乗り、「地球にやさしい」を推進していきます。また、地球温暖化が進んでいるので、CO2が出る「燃やす」という事を減らしていく使命があると考えています。
なお、近年、運賃が高くなってきているので、物流コストを下げるために、工場を増やした
いと考えております。今は岡崎と安城に工場がありますが、関東の方にも工場をおき、販売
力を上げることを目指しています。
担当
企業情報
企業名 |
ニチモウ商事株式会社 |
代表者名 |
石原 昭 |
所在地 |
〒444-0908 愛知県岡崎市橋目町字割塚30 |
TEL |
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FAX |
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