昭和56年創業
今日もカウンターに多くのお客様が見えられていますが、日本中央交通の創業について教えてください。
創業は昭和56年です。旅行業を中心としていましたが、平成14年からは装飾品の卸・小売も始めました。
旅行業について、特色があれば教えてください。
団体様にスポットを当てています。社員旅行の幹事さんの仕事を代行することで、多くのお客様に喜んでいただいています。また、個人のお客様も3割位利用されています。
ツアーのプランを考えるときに注意していることを教えください。
お客様志向をとことん追求し、付加価値を大切にしています。
旅行会社でありながら
他の旅行会社と違う点はありますか。
お客様が来社したときは、世界各地の様々なコーヒーを出してもてなします。少し高いですが、これも付加価値の一つです。例えば、今日のコーヒーはベトナム産のコーヒーですが、「ベトナム産のコーヒーです」と伝えてコーヒーを出せば、そこから話も広がります。
他にも、企業等の団体旅行は幹事さんが手配します。その幹事業務を代わりに会社で手配するのが特徴です。ビンゴの景品や宴会のショーなど、宴会を盛り上げることなど、幹事の方に代わって何でもします。
最近は、インターネットで旅行の予約をされる方も多いですが、インターネットの販売と対面販売では異なる点はありますか。
インターネットで予約するパッケージ化されているプランと違い、お客様の要望をできる限り聞き入れて、お客様にとって満足度の高い旅行を提供できる点です。
先ほどから話題にあがっている付加価値を具体的に教えてください。
アクセサリーで例えると、道路上に落ちている一億円のダイヤと、100万円の豪華なディスプレイ上にある千円のアクセサリーがあるとします。どちらが高く見えるでしょうか。豪華なディスプレイ上にある千円のアクセサリーの方が高く見えると思います。そういった、商品そのものではなく、他に手を加えたものが付加価値です。
私の店では、実際にディスプレイを大切にしており、手間暇はかかりますが、インドネシアへ行って良い木を使って良いディスプレイを作ります。商品も大切ですが、付加価値もそれ以上に大切です。
また、付加価値として、小売店に卸すときは、売り方のマニュアルを差し上げています。ただ単に販売するだけではなく、販売スキルの提案もしています。こうしたことが奏功して、今では全国のほとんどの都道府県にアクセサリーの代理店があります。
アクセサリー会社はいくらでもあるので、勝ち残っていくためには、付加価値が必要ですし、特別なことをしないとクローズアップされないので、販売するツールも大切にしていきたいです。
旅行会社でありながら、なぜ装飾品の卸・小売業をはじめたのですか。
旅行業は内外の環境にも左右され、業績の良いときと悪いときの差があります。例えば、平成14年に発生した同時多発テロや、平成23年におきた東日本大震災など、大きな事件や災害で左右されます。旅行業は衣・食・住から離れていて、なくても生活には困らない産業ですので、景気が良くならないと存在意義があがってきません。それでは会社として安定した基盤を作ることはできませんので、そこで小売業を始め、形のあるものを提供していくことにしました。形のあるものは必要とされます。アクセサリーは不景気だからこそ必要とする人が多いのです。アクセサリーにも低単価から高単価のものがありますが、私の店では安価なものを扱っており、高くても1万円以内です。安くても質のいいものは売れます。
装飾品の小売を始めた当初、反応はいかがでしたか。
アクセサリーの小売は個人で開業しました。旅行業とは畑違いなので、初めは周囲から、「なぜアクセサリーなのか」「おかしいのではないか」と言われました。自分が持っていた資金50万円を回転させながら、公園やフリーマーケットでの販売を1年間続け、2年目から委託販売を始めました。資金や人脈は全くなかったので、1、2年目は本当に大変でした。
旅行業は薄利ですが、アクセサリー業は逆に利益率が高いので、現在では会社の安定化に貢献しています。
旅行業とアクセサリー業は、畑違いですが、お客様に夢と感動を与える意味では同じ業種です。
離れた分野ですが、お客様を満足させるということは同じなので、そのためならどんな業種の仕事をしてもいいと思います。何をするにも、お客様を満足させるという意識を持って働いています。
旅行とアクセサリーのシナジー効果はありますか。
旅行業をやっていると海外に行く事が多いので世界情勢がつかめます。アクセサリーの生産国をどこにするかなど、決めるのに役立ちます。
旅行業では、コミュニケーションが大切だと思いますが、気をつけていることがあれば教えてください。
対面接客を大切にしています。インターネットが普及している中で、対面接客を大切にし、お客様ひとりひとりとの絆を大切にしたお客様志向を追求していきたいです。
幹事を務められる方は毎年変わるので、前回の幹事の方からの口コミで次回も利用していただけることが多いです。インターネットではできない対面接客の効果に気を付けています。
早川様ご自身のことについてお伺いしますが、今のお仕事に就く前、学生時代はどんなことをされていましたか。
学生時代は、カクテルバーでアルバイトをしたかったのですが、未成年だった為、採用してもらえませんでした。しかし身長が高かったので、同じ系列のショーパブレストランで、女装して和田アキコの物まねをしていました。なかなか好評でしたよ。学生時代はあまり旅行会社を継ぐことは考えていませんでしたが、少しは頭の片隅にあり、そのためにはどのようなことをしたら良いか考えていました。ショーパブの経験も結果的に旅行の宴会などに役立つことになり、過去にしてきたことはすべて今に生きていると思います。
人との出会いや、社員との出会いもそうです。中には苦手な人もいるかもしれませんが、人を好きにさせてしまうことが大切だと思います。好きにさせてしまうことが自分の力です。.
地域密着を大切に
社長業とはどんなことだと思いますか。
いい職場づくりと人材育成です。人材能力は高いにこしたことはありませんが、能力を上げ、人材を育てるのが社長の仕事だと思います。
色々なお話を伺い、大変勉強になりました。それでは最後に、今後に向けての目標をお願いします。
旅行業では、地域密着を大切にし、リピートにつながる接客をしていきたいです。地域密着を重視し、拡大は考えていないです。逆に、アクセサリー業は、海外にも広げていきたいと考えています。これからも、お客様の満足を追求していきます。